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テムテムな歌

気に入ったタイ語の歌を訳しています。

คนเจ้าน้ำตา/NJ  

title[คนเจ้าน้ำตา/khon jao namtaa]
artist[นิว-จิ๋ว/Niw-Jiw]
album[NJ Together]
year[2005]



いつもと変わらないある日のこと。
私の働くフォトスタジオにあらわれたのは、まぎれもないあの人だった。

そして、必然というか、当然のように、彼のそばには私の知らない人。ふたりはもうすぐ結婚するのだ。そう、彼は私ではなく、彼女をえらんだのだから。

彼が私に気づく・・・少し驚いたような顔をして、でもすぐに目をそらす。偶然のいたずらに苦笑い。でもこの偶然は、ちょっと残酷すぎる。私はこのフォトスタジオのスタッフで、彼はお客さん。もう昔のような間柄ではないのだ。私たちの気まずい雰囲気を、彼女に気づかれてはならない。華やかなウェディングドレスの相談をしながら、テーブルの下で指を絡ませあう二人・・・幸せそうな彼女を悲しませるわけにはいかない。

もう、私と彼とは終わってしまった関係なのだから。

彼とのたくさんの想い出・・・たくさんの写真、贈られたペンダント・・・いまでも大切な、私の宝物。見るたびに想い出はきれいなままよみがえる。いつまでも、想い出の世界にいたいけど、もういい加減、彼のことは忘れなければならない。だって彼は、私とは違う別の人と、新しい人生を歩もうとしているのだから。

彼女が選んだ純白のウェディングドレスは、これからの人生を象徴しているかのよう。きっと彼女はいま、幸せの絶頂にいるのだろう。そしてそんな幸せそうな彼女たちをファインダー越しに見つめる私・・・。彼の目には、もう私は映っていない。

一生に一度のウェディング・フォト。彼と並ぶ彼女が眩しい。もしかしたら彼のそばにいたのは、私だったのかもしれない。寄り添い微笑みあう二人・・・。私たちが恋人同士だった頃に、彼から贈られたペンダントを今でも外せない私の気持ちに、彼は気づいているのだろうか。気づいたって、もう状況は変わらない。せめて心の動揺を、彼女たちに悟られないようにしなければ。ファインダーが涙でにじむ。

数日後、出来上がったウェディング・フォトを、彼女はとても気に入ってくれたようだ。何も知らない彼女は、私にウェディングの招待状まで用意してくれた。私に行けるはずはないのに。

店を出るとき、彼が振り返った。でも、私は声を掛けなかった。・・・彼も、無言で出て行った。もう彼とは会うこともないだろう。そして彼が、私のことを思い出すこともきっとないだろう。

本当にもう終わってしまったんだ・・・幸せな時間を切り取った想い出の写真たちを眺めながら、私はひとり、いつまでもとまらない涙を流し続けた。


歌詞
http://tem2song.blog121.fc2.com/blog-entry-38.html
歌詞を訳してほしい、というメールもよく頂くのですが、「PVをショートストーリーにしてみては??」というご意見もよく頂いています。実はコレ、以前に自分のブログですでにやってみてたことなんですよね・・・ということで、最近ぐっとくるPVも多々あることだし、たまにはショートストーリーをupしてみようかと。記念すべき第1回目は何度見ても泣けるこの曲を。いや~・・・カワイソウすぎるでしょコレ!涙なしには見れません。
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category: PVショート・ストーリー

tb: 0   cm: 2

コメント

わー!!hanaさん、さすが!!
素敵なストーリーですねー
彼の目にはもう私は映っていない。。。。。。
うーん。素晴らしい!!
ストーリーを読んで、また見ると
ますます泣けますねー
ありがとうございました。
関係ないですが、あの天使の羽の
ペンダントが欲しい。(笑)
あーあー!時間がないのに
また朝から熱唱してしまいました!

URL | ちょこちょこ #-
2008/10/21 09:49 | edit

自分でも・・・

>ちょこちょこさん
自分でも、これを書いたときはなにかが乗り移ったようにスラスラと書き上げることが出来ました・・・それ以降、文章の神様は降臨してくださいません・・・(涙)。
元彼がいかにもタイ風おぼっちゃまなところとか、彼女がイマイチかわいくない感じなところとか、シチュエーションの悲しさも相当なものがありますが、やっぱりこの曲がいいんですよねぇ。何度聴いても、涙が出ます。

URL | hana@管理人⇒ちょこちょこさん #-
2008/10/21 14:41 | edit

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